2013年3月8日金曜日

限界がきているまち

「シゴトとヒトの間を考える」(中村健太・友廣裕一著)を読んだ。




2012年に開いたフォーラムの内容をまとめたもの。
登場する9人のゲストの中に、富山県の里山で有限会社「土遊野(どゆうの)」を営む橋本順子さんがいた。
「自立・共存・持続可能」をキーワードに、有機栽培のコメづくり、平飼養鶏、無農薬の野菜づくりをしている。

いま、集落に住んでいるのは橋本さん家族1軒だけ。いわゆる「限界集落」との見方にたいする橋本さんの言葉は的を得ているように思う。
私にとっては、東京での暮らしのほうが限界だったと思えますね


橋本さんは、かつて東京に暮らしていたが、「自分の食べているものを誰がつくっているのかも見えなかった。それでも、暮らせてしまうんです」と振り返っている。

食べることは生きること。
でも、食に意識を向けなくても、それでも何事もなく、日々が過ぎていってしまっている。


先日、取材で会った81歳のおばあさんは、高齢になった今でも畑で野菜を育てている。
「自分で食べるぐらいは自分でつくっている」と当たり前に言う。

かっこいい。

腰が曲がっていても、ゆっくりしか歩けなくても、強い生命力を感じる。


(柏木智帆)

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