畑から徒歩1分ほどでこの景色。 周囲は岩礁地帯。自然の造形による海食洞穴「馬の背洞門」も見える。 |
城ヶ島には、お年寄りたちが細々と繋いできた野菜のタネがあるが、高齢化と後継者不足で将来的にタネが途絶える心配もある。
このタネをつないでいくお手伝いをしたいと考え、城ヶ島に住む81歳の星野サワさんと老人会長の村田吉雄さんからソラマメや正月菜、草ネギなど、城ヶ島在来の野菜のタネを譲っていただいた。
先日、畑の一角を開墾して、まずは草ネギのタネをまき、ワケギを植えた。
【before】 |
そして、三浦大根のタネもまいた。
神奈川県農業技術センター三浦半島地区事務所によると、かつて三浦半島でつくられていた三浦大根はいまはすべてF1種という人工交配されたタネ。在来のタネで栽培している農家は1軒もない。
そこで、城ヶ島のタネをつなぐとともに、タネとりしてつないでゆける三浦大根のタネを、三浦の地に取り戻そうと計画している。
固定種専門のタネ店「野口種苗研究所」の野口勲さんからも
「三浦半島から消えてしまった本当の三浦大根のタネが、城ヶ島で復活する物語が生まれる日を楽しみにしています」
との応援メッセージをいただいた。
野口種苗研究所で購入した三浦大根のタネ。 埼玉県の農家、関野幸生さんが採種したので「新」三浦大根になっている。 |
畑で作業をしていると、星野サワさんが妹さんたちと一緒に様子を見に来てくれた。自分のおばあちゃんができたみたいでちょっぴり嬉しい。
代々つたわるソラマメのタネのタネをくれた星野サワさん。 まくときの向きなどを教えてくれた。 ソラマメをまくのは今月末。 |
畑があるのは小高い丘。城ヶ島の周囲をぐるりとまわれるようになっているため、島の人たちが畑の脇を通ってゆく。そして、作業をしていると、必ず声をかけてくれる。
【after】 まずは、ほんの一部だけ。 |
なんとか日没までに作業終了。
城ヶ島の土に触れたことで、一気に城ヶ島への愛着がわいた。
(柏木智帆)
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